『季刊 まちりょく』レビュー欄に寄稿しましたー + 2018.4.9 追記 + 2018.4.30 追記

  • 2018.04.05 Thursday
  • 21:18

 例によって、花粉の季節がまた巡ってきました。。ひどいときには店主が目を腫らして泣きながら営業してたりしますが、どうかお気になさらずご来店を!買取が増えるシーズンでもあります。新入荷の本をがしがし親の敵のように品出ししてお俟ちしてますので、ぜひどうぞー。

 

 久しぶりに告知をいくつか。

 

 もう先月のことですが、「仙台写真月間2017」について、仙台市文化事業団広報誌『季刊 まちりょく』第30号に寄稿させて頂きました。十数年に及ぶ「月間」のあゆみを振り返りつつ、そのポテンシャルを参加者のお一人である花輪奈穂さんの展示に透かし見るという趣向です。市内要所で配布されてますので、よかったらご笑覧下さいまし。

 

 

 「つんどく読書会」も細々と続いており、先月15日にはひっそり5回めが開かれました。課題図書はメアリ・シェリーの『フランケンシュタイン』。むかし読みかじったバーバラ・ジョンソンの論文もあわせて読み直しながら存分に堪能しました。おもしろかったー。

 主人公のフランケンシュタインは、真理の追究に憑かれた挙げ句「怪物」を生みだしてしまいます。ところが、その出来事の途方のなさに我ながら恐れをなして遁走してしまいます。この際、興味深いのは、フランケンシュタインが疲労にかまけて束の間見た夢です。抱きとめたはずの許嫁が、死んだ母に様変わりしていたというのです。そして、彼が目を覚ますのと軌を一にして怪物も目を開き作動し始めます。つまり怪物は母の代わりであり、それに執着する自己の投影でもあるわけです。さらに、この母子(自他)未分化なおぞましさには、自己とは異なる何ものかを生みだしてしまうことへの畏れおののきが重ね合わされます(これは作家じしんの/による出産と作品の執筆までもが畳み込まれているように読める。シェリーは17歳で流産を経験しており、執筆当時18歳でまた身籠っている。かつまた彼女の母からして、彼女が生まれた直後に産褥熱で亡くなっている。母の死の理由が自己の誕生なわけだ)。

 ゆえに、怪物があらわれるのは決まって、アルプスや孤島の峻厳な自然、恐れに満ちた風景のさなかですし、しかも窓枠の向こう、作中触れられる母の肖像画よろしくフレーム越しに対面することになります。やがて、互いに(愛と見分けがつかないほど)憎みあって追いつ追われつついに北極に辿り着くクライマックスに至っては、かたやフランケンシュタインが衰弱死してしまうや、怪物はやり場のない感情を爆発させて船の窓(フレーム)をぶち破って吹雪(恐れの象徴)に身を消します。完璧な演出です。

 母子や出産=制作、恐れ(理性では手に負えない、ロマン派的「崇高さ」の問題としても捉えられる。実際「崇高」という語句が何度か出てくる)のテーマもさることながら、これに絡んでナレーションの入れ子構造が事態をより深く描きだしています。フランケンシュタインは、単に自分語りをするのみならず、怪物の告白に耳を傾けてそれを今ここで語りなおします。それも直接読者に届くわけでなく、北極で出会った青年が手紙に書きとめて姉に宛てるというスタイルになっており、フランケンシュタインの出産=制作の恐れが、幾重にも反復され、繰り返し出産=制作のやり直し、再生がはかられている。そして、当の姉のイニシャルが「ms」、メアリ・シェリー作家本人を仄めかし、その境位に読者を据えるのです。読んでて、おぉと唸ってしまいました。

 ちなみに、、怪物がその後イヌイットと別の人生を歩んでくれてたらいいなと仰った方がいて、とても共感したり。。

 

 次回は5/18(金)20:15-22:00、マゼランで。課題図書は宇野千代の『生きて行く私』です。

 参加者のつんどく本から選んでいるので、つどに応じて振り幅が大きいようだけれど、女性の生きかたにかかわる小説という点では共振する部分もあったりするかも。。

 

 「多夢多夢茶会 その六」のチラシを今回も描かせて頂きましたー。前回は広角で煽り気味だったので、望遠で俯瞰にしてみました。っていうか、アニメ版「恋は雨上がりのように」のオープニングをやってみたかっただけでもあります。。観覧車は、久野遥子さんのマンガ「甘木唯子」を読んでからいつか描きたいと思っていて、それがいざ取りかかってみたら、パースとりながら何本も線切らなきゃならなくて、、花粉症の身にはなかなか難儀な代ものでした。

 依頼主からは、植物系の装飾を要望されていたのだけれど、結局ずいぶんシンプルにスミレの一輪挿しになってしまいました。これでよかったのかしら。。

 全然関係ありませんが、今期のアニメでは「宇宙よりも遠い場所」が抜群に素晴らしかったなぁ。シナリオが恐ろしくよくできてて感銘を受けました。。

 

 A4版コピー用紙両面印刷。

 

 

 

2018.4.30 追記 ***

 

 おかげさまで、盛況のうちに幕を下ろせたようです。よかったよかった。

 じつは、当日会場で配布する物販案内として、うえのチラシから時節を遷した差分のイラストも描かせてもらいました。あわせて掲載しておきます。

 今年は、いつになく駆け足で春が過ぎ去ってしまい、桜吹雪の場違い感がハンパなく、新緑に変えてみました。。

 

 

 

***

 

 あと、予告していた門眞妙さんと遠藤祐輔さん、清野仁美さんらによる小品展は、4/20(金)から5月いっぱいの会期に決まりました〜。委細は追って後日に!

 

2018.4.9 追記 ***

 

 先日、門眞さんがチラシをお持ち下さりました。栞ふうで可愛らしい体裁です。

 

 

 「昨秋、塩釜で行われた美術展『あなたと海のあいま、とおりすぎてゆくすべて』の記録集の出版を記念し、執筆者の一人である高熊洋平さんの営む古書店にてささやかなリリース点を開催致します」。

 

 「本当に思い出せなくなる前に」

  遠藤祐輔清野仁美門眞妙

  2018.4.20-5.31(火曜定休)

  10:00-20:00(土日のみ-19:00)

  書本&cafe magellan(マゼラン)

  仙台市青葉区春日町7-34

 

***

 

 なお、あわせて市内の design labo necco sendai さんでも関連企画が同時開催されます。

 くだんの記録集の版元であるDOOKSさんから作品集を上梓なさっている平尾菜美さんと後藤洋平さんによる二人展です。何やら新国誠一から触発を受けて準備を進めていらっしゃるようです。気になります!

 

 「檸檬水」

  平尾菜美後藤洋平

  2018.4.22-5.13(金土日月のみ)

  12:00-18:30

  design labo necco sendai

  仙台市青葉区一番町1-15-38 小林ビル3F

 

 もうひとつ大事なお知らせがあります!

 Book!Book!Senadiの10周年を記念して今月古本市が開かれます。

 あいにく弊店は参加できないのですが、東北中からいろんな古本屋さんが集まると伺い、期待に胸が膨らみます。おすすめですよー。

 

 「Book!Book!Miyagi@新寺こみち市」

  2018.4.28.sat

  10:00-15:00

  新寺こみち市会場

  新寺五丁目公園

  新寺こみち市ホームページ

 

2018年があけました。

  • 2018.01.01 Monday
  • 16:42

 あけましたね、おめでとうございますー。

 

 先年もみなさまにはお世話になりました。

 あらためてお礼申し上げます。ありがとうございました。

 そして、どうか本年もよろしくお願い申し上げます。

 

 よいおとしになりますように!

 

 

 予想どおり、元日は静かすぎる営業になりました。

 でも天候には恵まれて、すこぶる穏やかな一日でした。こんな日が続くといいなぁ。

 

2017年、あけました。

  • 2017.01.01 Sunday
  • 13:10

 今年の幕開けは穏やか。なかなかよいお天気です。といっても、寒さは一向に緩みませんが。。

 ともあれ、本年もどうかご愛顧よろしくお願い申し上げます〜。

 

 

 なお、先にお伝えしていたとおり、本日元日と明日1/2は通常営業。明後日1/3(火)は定休です。4日からは、もちろん通常どおり開きます。

 年末に、けっこうな量を入荷いたしました。親の敵のごとくガシガシ品出ししてます。ぜひ覗いてみて下さーい。

 青野文昭さんの小品展も継続中ですよ!

お盆も通常営業!

  • 2016.08.13 Saturday
  • 13:29

 陽ざしはジリジリ夏ですが、風のおかげかこのところ随分涼しく感じられます。

 お盆を越すと、いつもの仙台なら秋まっしぐら。ちょいと寂しくなる季節です。。

 

 とまれ、例年どおり、お盆期間も通常営業してますよ。土日は10:00 - 19:00、他日は - 20:00まで開いてます。ただし、火曜は定休ですので、ご注意を!

 よかったら、遊びにいらして下さいね〜。

 

 この期間には、ご近所のギャラリー、light sourceさんでも、小森はるかさんと瀬尾夏美さんによる展覧会が開かれているようです。ぼくも次の火曜に拝見する予定。よかったら合わせてどうぞ!

 

  遠い火 | 山の終戦 仙台展

   会期:2016.8.10.水- 8.17.水
   時間:11:00 – 19:00 ※最終日は - 15:00
   展示会場:light source
   住所:宮城県仙台市青葉区春日町5-27

 

 ついでながら、、弊店でも近々、久しぶりに青野文昭さんに作品を展示して頂く予定です。折よく、来月には市内他2ヶ所でも展示なさることになっています。こちらも乞うご期待!

 

 最後に、本日つばめどうさんからおかしが届きました!今回は、ぞうさんのココナッツビスケット(¥240)に、バニラのサブレ(¥230)、それからコーヒークッキー(¥260)。ご賞味あれ〜。

 

うっすら模様がえ

  • 2016.07.23 Saturday
  • 16:45

 この火曜は、素晴らしく夏めいてましたね。辛抱たまず散歩しまくり。汗ばむ陽気はもとより、光りの冴えのハンパなさったらもう!組まれた鉄骨や木立に夕陽が映えて、逆光に複雑な陰影が浮かびます。ともすると、反射光が不意をつく。つい見とれて、衝突しかかったり、後ろ向きのまま引き返したり。思い返せば、相当な不審者です。。でも、目を離せるわけがありません。影の延び方や、浮かぶ雲と空の抜け具合も、何もかもが完璧なコンディションだったのでした。

 例年食べそびれる氷菓も躊躇なく買い食いし、ほくほくの休日を過ごせました。

 あんな日がずっと続いてくれたらよいのになぁ。。(昨日きょうは海風のせいか肌寒い。。)

 

 閑話休題。

 

 本が床まで溢れ、とっ散らかり感が増してきたので、えいやっと模様がえも兼ねて片付けてみました。人さまからしたら代わり映えないかもしれませんが、ひとり気分一新、晴れ晴れした心地に浸っています。

 整理ついでに、価格も全体的に見直してみました。一度手にとられたことのある方も再チェックしてみて下さい!

 

 最近、平凡社のヴァールブルク学派コレクション(なつかしい)を入荷。ウィトカウアーやバクサンドールにうきうき。

 

 それから、、毎月第2・4土曜は、つばめどうさんの日。今朝もおかしを届けて頂きました。どうぞ、召し上がれ〜。

 

『マゼラン・マガジン』第4号出来!+2016.7.2 追記

  • 2016.06.26 Sunday
  • 19:58

 どうもー。ブログではお久しぶりです。お陰さまで実店舗はぼちぼち元気でやっております。

 本題前に、近況報告。この時期になると、草たちがめくるめく生い茂ったり、一変する風景に見とれてしまいます。そんな日常に、タイガーマスクが加わりました。

 連日ではないけれど、不定期にすれ違うたび、なんかほっとさせられます。たぶん、姿勢や仕種から察するにお若くはないはずです。にも拘らず、素顔を隠して闊歩なさるお姿はぞんがい粋な風情。当初は多少怯みはしたものの、最近は目にも馴染んで、見かけないと逆に探してる自分に気づいたり。

 それが、ある日お巡りさんに職務質問されてるのを見かけてしまいました。なかなか世知辛いものです。爾来ご縁なく、あれきりなのかしらと、寂しくもあるようなないような心地で過ごすこと1週間。つい先日再び見かけました。ブラックタイガーになってました!我にもなく、おぉっと呻いたのも無理ありません。いやぁ、したたかなものです。

 

 閑話休題

 

 フリーペーパー仕立てのチラシ、新調しましたー。例によって、A4四ツ折の手弁当、一葉ペラのまんがです。恒例行事化してはや4年。気づけばこの時期、おのずとあれこれ思案しています。割りあい、ちまちました作業が好きなのです。

mm4sam1

 

 おまけとして、カバー裏に書評5本も載せてます。といっても、昨年ミシマ社さんのWebマガジン『みんなのミシマガジン』で扱って頂いた記事の再録です。当ブログでも紹介したことがあります

 

mm4sam2

 

 今回の参照先は、ディドロの『ダランベールの夢』。例によって、内容はちっとも関連しませんが、どこかくすぐられつ妄想を遊ばせてみました。強いて共通点はとえいば、言動を転がすのに、夢の不確かさを頼っている点かしら。

 ダランベールがたじろぐように、夢って、必ずしも見た本人がすべてを請け合えるわけなく、およそ過剰な代物です。荒唐無稽さばかりか、どこから始まり、どこまでが夢と呼べるのか、厳密にはなかなか線引きすら難しい。

 小説では、夢にうなされ、洩らされる、ダランベールの寝言を発端に、その解釈を友人らがまくしたて、たくましく亢進させる姿が描かれます。そもそも、うなされる原因は、寝つく前に交わされたディドロとの議論です。彼の型破りな思想の衝撃が夢にまで及び、議論を再演していたのです。すると、それを肴に議論し、文字どおり「夢中」になる友人たちは、ディドロと議論するダランベールの夢の正確な反復であり、拡張です。つまり、ダランベールはもとより、友人たちさえもまた、常識から遠のき、夢を見ている当事者なのだと読みとれます。

 生理上の覚醒は、必ずしも夢と現を分かたない。少なくとも、分かつ数ある契機のひとつに過ぎません(逆に、夢の中の目覚めすら、夢から現を括りだします。もしそれを、まやかしの覚醒と看做せるとしたら、事後さらに目が覚め、遡及しえたからでしかない。論理上、底抜けに無限後退するほかないわけだ)。例えば、電話のベルが不意に鳴れば、白昼夢は否応なく打ち切られます。あるいは、絵画であればサイズや素材が、映画だと上映時間や予算も相当します。

 コマや絵、ことば、それに枚数など、さまざまな条件がまんがを縁どっています。それら拘束を一時解除し、あらたにレイアウトしなおすこと。その作業は夢を見るのとおなじ感触に溢れ、とても魅惑的です。

 

 

 ちなみに、、実際に進んだ順序からいうと、望遠で落下する身体を描きたいなぁ、といのが端緒でした(望遠ってだけで、ぼくには込み上げてくるものが。。もう涙目です)。結果5コマめに収まってます。中途、フレアを水彩ブラシで表せるのに気づいて、思わず勢いづいてしまった嫌いもあったり。

 

2016.7.2 追記

 野暮ですが、ちょっとだけ補足。

 まんがでは、失くしものをテーマに、いろんなタイプの紛失を描いています。それだけに、読解じたい失いかねない(消極的にも積極的にも「ミス」リーディングを誘う)描き方を、故意にしています。

 まず1コマめ。物思いにふけるモノローグとともに、うまく子育てできなかったんじゃないかという慚愧が、メンモチーフとして示されます。つまり、ありえた、そうありたかった関係性への未練です。後悔は、取り返しの利かない失くしものです。

 それが、次のコマで、成長した娘の現前により中断されます。この際、母娘の注意を逸れて、ハンカチがこぼれ落ちます(2コマめ中央やや右)。これは、へそを曲げる娘を慰め、母娘のすれ違う記憶を宿した象徴です。ゆえに、涙を拭ってやった過去のイメージを中継しつつ、いま目の前で、ポケットから滑り落ちる描写が重ね書きされます。なお、彼ら登場人物のみならず、読者にとっても認知すれすれの効果を狙いました。先に触れたとおり、読者の誤読なり見落としと、母娘のディスコミュニケーションを共鳴させたかったからです。

 で、後半は、ハンカチばかりか母じしんが、夢うつつのビジョンを通して、今あるここからこぼれ落ち(我を「失う」。ちなみにこれは、隣接する2コマめの、落下するハンカチと韻を踏み、共にはためくさまによって効果を増幅させています)、かつ着地「し損な」います。と同時に、ハンカチを拾い上げ、かりそめであれ、象徴的に失地回復をなしとげます。苦い思い出があるにも拘らず、捨てないで持っていてくれたのですから。1コマめの慚愧が杞憂だったのかもしれない、そんな余地を垣間見せて締め括られるわけです。もちろん、彼らにはその自覚が「欠け」たまま、大団円し「損ね」たかのように幕を閉じます。

 

 一方、県北は栗原にある風の沢ミュージアムで、いま岡崎乾二郎さんの個展が開かれていて、訪ねられそうなタイミングを伺っています。ぐぬぬっ。おいそれと足をのばせないものの、きっと!っていうか、見ていらした方がおいででしたおはなしをお聞かせ下さーい。

 

 

おかざき乾じろ「POST/UMUMU=OCT/OPUS」展

会期:2016.4.24 - 10.23

時間:11:00 - 17:00(10月のみ - 16:00)

休館:水木曜(祝日開館)

料金:一般¥700、未成年free、団体割引¥600(20名-)

駐車場:約20台

会場:風の沢ミュージアム(宮城県栗原市一迫片子沢外の沢11)

備考:全3回ワークショップあり(7.23.sat、24.sun、10.22.sat、全回14:00-)

あけました、2016年。

  • 2016.01.01 Friday
  • 11:23
 あけまして、おめでとうございます。
 例年どおり、今年も元日から営業です。

 ふだんの休日にもましてひっそり落ちつく道なり。わりあい好きなので、しっかり噛みしめて自転車を走らせてきました。ときおりよぎる人かげもどこか無防備で、ああ三箇日だななんてしみじみ。

 どうぞ、本年も宜しくお願い申し上げます〜。
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年末年始の営業につきまして

  • 2015.12.23 Wednesday
  • 15:19
 いわれてみれば、比較的寒くないような気もするけれど、やっぱり寒い!もう年の瀬です。夏が恋しいな。。
 「かしわ湯」さんが先般休業なさってしまったので、一入そう感じてしまいます。余所より無闇に熱いお湯が、もう底冷えした体にはたまらなかったのです。チクチク肌さす湯が次第に馴染んで、筋肉がほぐされてゆくあの脱力感!くぅ〜。そういえば、いつも湯に投入されていたブラックシリカ、あれの効用もあったのかしら。(ちなみに、数年前、河北新報に載せて頂いたエッセイは「かしわ湯」さんを舞台にしていたのでした。文中のTSUTAYAは広瀬通り店)
 街中に残る銭湯は「駒の湯」さん一件になってしまいました。淋しいな。

 さて本題。年末年始は、例年どおり通常営業。大晦日も元日も10:00〜20:00の予定です。なお、火曜日にあたる12/29と1/5は定休を頂きます。のんびりやっているので、よかったらどうぞ遊びにいらして下さいませ〜。
 ひとまず、、よいお年を!

 ところで、きのうは定休日だったので、ぐるっと展覧会めぐりをしてきました。
 県美ピカソ展。愉しく通覧できたものの、欲をいえばもうちょっと冴えた作品が見たかったかな。。
 タナラン大槻英世さんの個展。例によってマスキングテープを模すミニマルな絵画です。ただ一点だけ、わずかに趣の異なる作品がありました。テープ的な線状の構成をとらず、千切った紙を模して、散るように画面を覆うものです。筆触(のオールオーヴァー)と紙(吹雪)のダブルイメージも面白いのですが、それだけに留まらず、本来一回的であるはずの筆触を反復し、ひいては筆触のキャラ立ちにまで立ち入りそうな気配がありました。要は、アクションペインティングの筆触をポップアートに仕立てたリキテンシュタインや、岡崎乾二郎さんのタブローにも連なる問いです。この先がちょっと気になります。(会期 2015.12.22 - 12.27)
 SARP福島隆嗣さんの個展。皇居前広場、新宿御苑、明治神宮、王城寺原。各地で、不在の中心をめぐり撮り溜められた写真です。かといって、決定的な被写体を避けて、逆説的にそれを特権化するわけでもありません。むしろ、写っている形式そのものに面白みが見出だせます。撮影地ごとにスタイルがおのずと分別されてゆくのです。
 園路が暗黙に了解されている皇居前広場では、来訪者は意識するともなく列をなして歩を進めます。すると、カメラもそれに従い、行儀正しくアイレベルを中央に据え、大地と平行に景色を切り取ります。それが新宿御苑では、来訪者が思いおもいに広場で寛ぐためか、カメラの角度が若干下がり(同時に大地も奥へ競り上がっている)、画面下方2/3を大地が占めるようになります。明治神宮に及ぶや、樹木の存在感に圧倒されたのでしょうか、仰角とトリミングによって、生い茂る木々が画面を覆います。そして、王城寺原にいたると、荒地ゆえか角度も距離も様々にまなざしが散らされます。
 場所とカメラが互いに触発してスタイルを織り上げるさまは、とてもドラマチックだったのでした。(会期 2015.12.22 - 12.27)

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『本屋へ行こう !!』『ぱど』! ! !

  • 2015.10.14 Wednesday
  • 14:36
 うっかりしてる間に秋になってしまいました。空気がひゃっこいこと。これからまた冬なんですね。。うだるような暑さが恋しいなぁ。
 さて、ご報告をいくつか。。

 全国の本屋さんを取材したムック本が、洋泉社さんから出版されました。『本屋へ行こう !!』です。
 なかには「書店員がつくるフリーペーパー」を紹介する項目もあって、『マゼラン・マガジン』も取り上げて頂いています。弊店のはさておき、どれもおもしろそうなものばかり。みな好き勝手に作ってるのがとても感じよいです。いつか全部集めてみたいな。

 記事を書いて下さった南蛇楼さん、ありがとうございましたー。ちなみに、南蛇楼さんは他にも「古書店放浪記(西日本編)」や「北陸の古書店がいまアツい !?」など多数寄稿なさっています。東北に住んでいると、なかなか足を運べない地域なので、ぼくもわくわくしながら読ませて頂きました。
 とまれ、本書は、単なる本屋の羅列とは異なり、類書ではあまりスポットを当てられないようなお店も見受けられたり、踏み込んだ書店の楽しみ方に触れていたり、なかなか読み甲斐があります。新刊書店でぜひお買い求め下さーい!

 かたや、かなりローカルになってしまいますが、フリーペーパー『ぱど』の「北仙台・旭ヶ丘エリア」版(第612号 2015.10.9)に「秋時間を彩る Book Cafe」という特集記事が組まれています。市内のブックカフェが4つ紹介され、弊店もその末席を汚しております。火星の庭さん、stockさん、cafe haven't we metさん。各店舗の雰囲気をコンパクトかつ丁寧に案内して下さっています。記者さんに深謝。

 ちなみに、お店ごとの「おすすめ本」に、弊店からは『クマにあったらどうするか アイヌ民族最後の狩人』(姉崎等 木楽舎 2002)をあげました。タイトルから察するになんだかハウツー本みたいで、ついスルーしちゃいそうですが、さにあらず、徹頭徹尾アイヌ文化の貴重な証言、かつ実地から得られるクマの生態の豊富な描写です。
 わけても、著者の姉崎さんは、アイヌとシャモ(和人)のハーフゆえ、伝統を相対化するまなざしをも兼ね備えていて、その一言ひとことが味わい深い。例えば、一般的にはクマを捕ったら、アイヌの儀式に則り祭って解体するわけですが、彼はつい興味津々にクマを細かく解剖しては観察してしまいます。そこから、冬眠期に形成される肛門の栓について新たな知見を引き出してみせたりするのです。
 なお、『ぱど』の記者さんが付言して下さっているように、本書じたいはもう絶版ですが、筑摩書房から同タイトルで文庫が出ています。

 最後に個展をふたつご案内。



 お二方ともかつて弊店でも展示して頂いたことがあります。よかったら、当時の記事をご覧下さい。
 →大嶋貴明さん。
 →高橋健太郎さん。

「大嶋貴明個 展 絵画の身体へ」
会期:2015.10.20-11.1
会場:TURNAROUND(仙台市青葉区大手6-22 久光ビル1F)

「高橋健太郎 展」
会期:2015.10.20-10.25
会場:SARP(仙台市青葉区錦町1-12-7)
続きを読む >>

連休期間も通常営業。

  • 2015.09.18 Friday
  • 20:56
 明日9/19(土)から5連休が始まりますが、弊店はいつもどおり。火曜日のみ定休を頂き、他日は営業いたします。

 ご近所ではあれこれイベントが組まれているようです。せんだいメディアテーク仙台短篇映画祭SARP仙台写真月間。。などなど。ついでにふらり古本も渉猟して頂けたら、、なんて。。お待ちしておりまーす。
 それにつけても、ホン・サンスと山戸結希の作品はスクリーンで見たかったなぁ。。まいどながら仕事があるためぼくは断念。見られる方はぜひ。
 あと、いま展示中の小岩勉さんの写真、おもしろいです。先日拝見してきました。例によって階調優先のグレー(植物の葉っぱたち!)を基調としながら、今回はいつにもまして影のさす構図がコントラストを強調、画面をより複雑にしていました。
 わけても、梅田川の一枚が超絶格好いい。カリカリに焼かれたシャープな草葉と、空を反射し流動する水面のぬめり。まず、この対比じたいが官能的。それが肌理どうし連合して、平面のレイヤーを構成します。かたや奥には鯉がたゆたい、今しも手づかみできそう。つい水面のぬめりにまなざしを潜らせ、鱗に触れてしまいます。半ば押し返されつつ、水面に分け入るまなざし。これは、鯉のあり方そのものへ折り重なり、水流を押しのける反作用、ソリッドなマッスとして平面から区別されるレイヤーを新たに切り出します。(鯉の実在感は、その描写にではなく、草や水のあり方との対比に拠る。興味深いのはそれが、肌理のぬめりからかき分ける抵抗感へと、触覚の差異化として発生する点だ)。そしてさらに、画面上方に落ちる屋根らしき影、これが投影元の存在を仄めかし、画面外の広がり、媒質の存在に気づかせてくれます。鯉が水流をかき分けねばならないように、撮影者/観者もまた大気(あるいは屋根とその影)に挟まれている、と。
 草と水と魚、そして大気。互いが互いを触発し、次々とレイヤーを分岐させてゆく。平面と個体、媒質と個体等々。いずれにしろ、前・中・後景など、出来合いの形式はこの際無用というほかありません。レイヤーは画面をまさぐり味わう過程において初めて生成されうる。つくづく魅入ってしまいました。。
 なお、小岩さんのとなりのスペースでは佐々木薫さんの個展も開かれています。両者とも会期は9/20(日)まで。仙台写真月間では、ひと月のあいだリレー形式で個展が一週間ずつ開かれます。彼らの次は、今泉勤さん野寺亜季子さん。

 ★ 仙台短篇映画祭 2015
   会期:2015.9.20-22
   会場:せんだいメディアテーク

 ★ 仙台写真月間 2015
   会期:2015.9.1-10.4
   会場:SARP
birdo spaceCaco

 それから、ちょっと遠方にはなりますが、樋口佳絵さんが軽井沢で個展を開かれています。会期も長いですし、都合がおつきになりそうな方がいらしたら、ぜひどうぞー。

 ★ ものがたりの日々 樋口佳絵展
   会期:2015.9.1-11.23
   会場:軽井沢現代美術館


 今日の一冊とひと言。


 " EADWEARD MUYBRIDGE "TASCHEN,2010
 お世話になっています。

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看板犬からご案内

営業時間
10:00am-20:00pm
土日のみ-19:00pm
定休日:火曜
仙台市青葉区春日町7-34
お店のホームページはこちらです。

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