『マゼラン・マガジン』第4号出来!+2016.7.2 追記

  • 2016.06.26 Sunday
  • 19:58

 どうもー。ブログではお久しぶりです。お陰さまで実店舗はぼちぼち元気でやっております。

 本題前に、近況報告。この時期になると、草たちがめくるめく生い茂ったり、一変する風景に見とれてしまいます。そんな日常に、タイガーマスクが加わりました。

 連日ではないけれど、不定期にすれ違うたび、なんかほっとさせられます。たぶん、姿勢や仕種から察するにお若くはないはずです。にも拘らず、素顔を隠して闊歩なさるお姿はぞんがい粋な風情。当初は多少怯みはしたものの、最近は目にも馴染んで、見かけないと逆に探してる自分に気づいたり。

 それが、ある日お巡りさんに職務質問されてるのを見かけてしまいました。なかなか世知辛いものです。爾来ご縁なく、あれきりなのかしらと、寂しくもあるようなないような心地で過ごすこと1週間。つい先日再び見かけました。ブラックタイガーになってました!我にもなく、おぉっと呻いたのも無理ありません。いやぁ、したたかなものです。

 

 閑話休題

 

 フリーペーパー仕立てのチラシ、新調しましたー。例によって、A4四ツ折の手弁当、一葉ペラのまんがです。恒例行事化してはや4年。気づけばこの時期、おのずとあれこれ思案しています。割りあい、ちまちました作業が好きなのです。

mm4sam1

 

 おまけとして、カバー裏に書評5本も載せてます。といっても、昨年ミシマ社さんのWebマガジン『みんなのミシマガジン』で扱って頂いた記事の再録です。当ブログでも紹介したことがあります

 

mm4sam2

 

 今回の参照先は、ディドロの『ダランベールの夢』。例によって、内容はちっとも関連しませんが、どこかくすぐられつ妄想を遊ばせてみました。強いて共通点はとえいば、言動を転がすのに、夢の不確かさを頼っている点かしら。

 ダランベールがたじろぐように、夢って、必ずしも見た本人がすべてを請け合えるわけなく、およそ過剰な代物です。荒唐無稽さばかりか、どこから始まり、どこまでが夢と呼べるのか、厳密にはなかなか線引きすら難しい。

 小説では、夢にうなされ、洩らされる、ダランベールの寝言を発端に、その解釈を友人らがまくしたて、たくましく亢進させる姿が描かれます。そもそも、うなされる原因は、寝つく前に交わされたディドロとの議論です。彼の型破りな思想の衝撃が夢にまで及び、議論を再演していたのです。すると、それを肴に議論し、文字どおり「夢中」になる友人たちは、ディドロと議論するダランベールの夢の正確な反復であり、拡張です。つまり、ダランベールはもとより、友人たちさえもまた、常識から遠のき、夢を見ている当事者なのだと読みとれます。

 生理上の覚醒は、必ずしも夢と現を分かたない。少なくとも、分かつ数ある契機のひとつに過ぎません(逆に、夢の中の目覚めすら、夢から現を括りだします。もしそれを、まやかしの覚醒と看做せるとしたら、事後さらに目が覚め、遡及しえたからでしかない。論理上、底抜けに無限後退するほかないわけだ)。例えば、電話のベルが不意に鳴れば、白昼夢は否応なく打ち切られます。あるいは、絵画であればサイズや素材が、映画だと上映時間や予算も相当します。

 コマや絵、ことば、それに枚数など、さまざまな条件がまんがを縁どっています。それら拘束を一時解除し、あらたにレイアウトしなおすこと。その作業は夢を見るのとおなじ感触に溢れ、とても魅惑的です。

 

 

 ちなみに、、実際に進んだ順序からいうと、望遠で落下する身体を描きたいなぁ、といのが端緒でした(望遠ってだけで、ぼくには込み上げてくるものが。。もう涙目です)。結果5コマめに収まってます。中途、フレアを水彩ブラシで表せるのに気づいて、思わず勢いづいてしまった嫌いもあったり。

 

2016.7.2 追記

 野暮ですが、ちょっとだけ補足。

 まんがでは、失くしものをテーマに、いろんなタイプの紛失を描いています。それだけに、読解じたい失いかねない(消極的にも積極的にも「ミス」リーディングを誘う)描き方を、故意にしています。

 まず1コマめ。物思いにふけるモノローグとともに、うまく子育てできなかったんじゃないかという慚愧が、メンモチーフとして示されます。つまり、ありえた、そうありたかった関係性への未練です。後悔は、取り返しの利かない失くしものです。

 それが、次のコマで、成長した娘の現前により中断されます。この際、母娘の注意を逸れて、ハンカチがこぼれ落ちます(2コマめ中央やや右)。これは、へそを曲げる娘を慰め、母娘のすれ違う記憶を宿した象徴です。ゆえに、涙を拭ってやった過去のイメージを中継しつつ、いま目の前で、ポケットから滑り落ちる描写が重ね書きされます。なお、彼ら登場人物のみならず、読者にとっても認知すれすれの効果を狙いました。先に触れたとおり、読者の誤読なり見落としと、母娘のディスコミュニケーションを共鳴させたかったからです。

 で、後半は、ハンカチばかりか母じしんが、夢うつつのビジョンを通して、今あるここからこぼれ落ち(我を「失う」。ちなみにこれは、隣接する2コマめの、落下するハンカチと韻を踏み、共にはためくさまによって効果を増幅させています)、かつ着地「し損な」います。と同時に、ハンカチを拾い上げ、かりそめであれ、象徴的に失地回復をなしとげます。苦い思い出があるにも拘らず、捨てないで持っていてくれたのですから。1コマめの慚愧が杞憂だったのかもしれない、そんな余地を垣間見せて締め括られるわけです。もちろん、彼らにはその自覚が「欠け」たまま、大団円し「損ね」たかのように幕を閉じます。

 

 一方、県北は栗原にある風の沢ミュージアムで、いま岡崎乾二郎さんの個展が開かれていて、訪ねられそうなタイミングを伺っています。ぐぬぬっ。おいそれと足をのばせないものの、きっと!っていうか、見ていらした方がおいででしたおはなしをお聞かせ下さーい。

 

 

おかざき乾じろ「POST/UMUMU=OCT/OPUS」展

会期:2016.4.24 - 10.23

時間:11:00 - 17:00(10月のみ - 16:00)

休館:水木曜(祝日開館)

料金:一般¥700、未成年free、団体割引¥600(20名-)

駐車場:約20台

会場:風の沢ミュージアム(宮城県栗原市一迫片子沢外の沢11)

備考:全3回ワークショップあり(7.23.sat、24.sun、10.22.sat、全回14:00-)

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  • 2017.03.27 Monday
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