『季刊 まちりょく』レビュー欄に寄稿しましたー + 2018.4.9 追記

  • 2018.04.05 Thursday
  • 21:18

 例によって、花粉の季節がまた巡ってきました。。ひどいときには店主が目を腫らして泣きながら営業してたりしますが、どうかお気になさらずご来店を!買取が増えるシーズンでもあります。新入荷の本をがしがし親の敵のように品出ししてお俟ちしてますので、ぜひどうぞー。

 

 久しぶりに告知をいくつか。

 

 もう先月のことですが、「仙台写真月間2017」について、仙台市文化事業団広報誌『季刊 まちりょく』第30号に寄稿させて頂きました。十数年に及ぶ「月間」のあゆみを振り返りつつ、そのポテンシャルを参加者のお一人である花輪奈穂さんの展示に透かし見るという趣向です。市内要所で配布されてますので、よかったらご笑覧下さいまし。

 

 

 「つんどく読書会」も細々と続いており、先月15日にはひっそり5回めが開かれました。課題図書はメアリ・シェリーの『フランケンシュタイン』。むかし読みかじったバーバラ・ジョンソンの論文もあわせて読み直しながら存分に堪能しました。おもしろかったー。

 主人公のフランケンシュタインは、真理の追究に憑かれた挙げ句「怪物」を生みだしてしまいます。ところが、その出来事の途方のなさに我ながら恐れをなして遁走してしまいます。この際、興味深いのは、フランケンシュタインが疲労にかまけて束の間見た夢です。抱きとめたはずの許嫁が、死んだ母に様変わりしていたというのです。そして、彼が目を覚ますのと軌を一にして怪物も目を開き作動し始めます。つまり怪物は母の代わりであり、それに執着する自己の投影でもあるわけです。さらに、この母子(自他)未分化なおぞましさには、自己とは異なる何ものかを生みだしてしまうことへの畏れおののきが重ね合わされます(これは作家じしんの/による出産と作品の執筆までもが畳み込まれているように読める。シェリーは17歳で流産を経験しており、執筆当時18歳でまた身籠っている。かつまた彼女の母からして、彼女が生まれた直後に産褥熱で亡くなっている。母の死の理由が自己の誕生なわけだ)。

 ゆえに、怪物があらわれるのは決まって、アルプスや孤島の峻厳な自然、恐れに満ちた風景のさなかですし、しかも窓枠の向こう、作中触れられる母の肖像画よろしくフレーム越しに対面することになります。やがて、互いに(愛と見分けがつかないほど)憎みあって追いつ追われつついに北極に辿り着くクライマックスに至っては、かたやフランケンシュタインが衰弱死してしまうや、怪物はやり場のない感情を爆発させて船の窓(フレーム)をぶち破って吹雪(恐れの象徴)に身を消します。完璧な演出です。

 母子や出産=制作、恐れ(理性では手に負えない、ロマン派的「崇高さ」の問題としても捉えられる。実際「崇高」という語句が何度か出てくる)のテーマもさることながら、これに絡んでナレーションの入れ子構造が事態をより深く描きだしています。フランケンシュタインは、単に自分語りをするのみならず、怪物の告白に耳を傾けてそれを今ここで語りなおします。それも直接読者に届くわけでなく、北極で出会った青年が手紙に書きとめて姉に宛てるというスタイルになっており、フランケンシュタインの出産=制作の恐れが、幾重にも反復され、繰り返し出産=制作のやり直し、再生がはかられている。そして、当の姉のイニシャルが「ms」、メアリ・シェリー作家本人を仄めかし、その境位に読者を据えるのです。読んでて、おぉと唸ってしまいました。

 ちなみに、、怪物がその後イヌイットと別の人生を歩んでくれてたらいいなと仰った方がいて、とても共感したり。。

 

 次回は5/18(金)20:15-22:00、マゼランで。課題図書は宇野千代の『生きて行く私』です。

 参加者のつんどく本から選んでいるので、つどに応じて振り幅が大きいようだけれど、女性の生きかたにかかわる小説という点では共振する部分もあったりするかも。。

 

 「多夢多夢茶会 その六」のチラシを今回も描かせて頂きましたー。前回は広角で煽り気味だったので、望遠で俯瞰にしてみました。っていうか、アニメ版「恋は雨上がりのように」のオープニングをやってみたかっただけでもあります。。観覧車は、久野遥子さんのマンガ「甘木唯子」を読んでからいつか描きたいと思っていて、それがいざ取りかかってみたら、パースとりながら何本も線切らなきゃならなくて、、花粉症の身にはなかなか難儀な代ものでした。

 依頼主からは、植物系の装飾を要望されていたのだけれど、結局ずいぶんシンプルにスミレの一輪挿しになってしまいました。これでよかったのかしら。。

 全然関係ありませんが、今期のアニメでは「宇宙よりも遠い場所」が抜群に素晴らしかったなぁ。シナリオが恐ろしくよくできてて感銘を受けました。。

 

 A4版コピー用紙両面印刷。

 

 

 

 あと、予告していた門眞妙さんと遠藤祐輔さん、清野仁美さんらによる小品展は、4/20(金)から5月いっぱいの会期に決まりました〜。委細は追って後日に!

 

2018.4.9 追記

 

 先日、門眞さんがチラシをお持ち下さりました。栞ふうで可愛らしい体裁です。

 

 

 「昨秋、塩釜で行われた美術展『あなたと海のあいま、とおりすぎてゆくすべて』の記録集の出版を記念し、執筆者の一人である高熊洋平さんの営む古書店にてささやかなリリース点を開催致します」。

 

 「本当に思い出せなくなる前に」

  遠藤祐輔清野仁美門眞妙

  2018.4.20-5.31(火曜定休)

  10:00-20:00(土日のみ-19:00)

  書本&cafe magellan(マゼラン)

  仙台市青葉区春日町7-34

 

 なお、あわせて市内の design labo necco sendai さんでも関連企画が同時開催されます。

 くだんの記録集の版元であるDOOKSさんから作品集を上梓なさっている平尾菜美さんと後藤洋平さんによる二人展です。何やら新国誠一から触発を受けて準備を進めていらっしゃるようです。気になります!

 

 「檸檬水」

  平尾菜美後藤洋平

  2018.4.22-5.13(金土日月のみ)

  12:00-18:30

  design labo necco sendai

  仙台市青葉区一番町1-15-38 小林ビル3F

 

 もうひとつ大事なお知らせがあります!

 Book!Book!Senadiの10周年を記念して今月古本市が開かれます。

 あいにく弊店は参加できないのですが、東北中からいろんな古本屋さんが集まると伺い、期待に胸が膨らみます。おすすめですよー。

 

 「Book!Book!Miyagi@新寺こみち市」

  2018.4.28.sat

  10:00-15:00

  新寺こみち市会場

  新寺五丁目公園

  新寺こみち市ホームページ

 

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  • 2018.04.09 Monday
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    お店のホームページはこちらです。

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