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    菊池聡太朗「ウィスマ・クエラ」展について

    • 2019.07.17 Wednesday
    • 14:08

     お天気がずっと優れず、なかなか外に本を並べられません。うむ、、かなりの欲求不満。早く梅雨があけてすっきり晴れてほしー。

     ところで、きのう拝見した ARUGA AKU という方の個展がおもしろかったです。かたや和紙に版を何度も重ねて色面一帯にじわっと深さを出しつつ、他方ではそのあいだにメタリックな粉末がまぶされて不思議な抵抗感が醸されていました。刷毛でぴっと引いたような跡もじつは版を使って刷りだしてたり。色々見所がありました。この日曜日まで開かれているようです。

     

     ARUGA AKU Exhibitionー感情の欠片 紙の上ー

      会期:2019.07.16.tue - 21.sun

      時間:11:00 - 19:00(最終日 - 17:00)

      会場:SARP(仙台アーティストランプレイス)スペースA

     

     閑話休題。

     今さらながら、、この春に開かれた展覧会の感想を載せておこうと思います。

     インドネシアにある「ウィスマ・クエラ」邸についての調査報告?というか経験の再構成が試みられていました。

     元々は現地の建築家マングンウィジャヤの手になる自邸です。それが死後も増改築を繰り返し、今や色んな人たちが行き来するアナーキーな場になっているらしい。2018年に菊池聡太朗さんが滞在した折も現在進行形で手が加え続けられていたようです。今展はその記憶を写真によるモンタージュを通して透かし見る趣向になっていました。

     artscape には五十嵐太郎さんによる記事も掲載されています。会場風景も見られるのでぜひ!

     それから、菊池さんの次回個展がこの10月に予定されているようです。こちらも愉しみ。

     

     ウィスマ・クエラ|菊池聡太朗

      会期:2019.3.26 - 4.3

      会場:ギャラリー ターンアラウンド

     

     「ウィスマ・クエラ」という家屋が写真に切りとられ会場に鏤められていました。ただし細部に限られます。部屋の一望はおろか、ましてファサードなど全体像がそれと知れる外観は皆無です。そのうえリボンの忘れものなど一時的な現象も目立ちます。どの断片もあまりに頼りなく、いくらかき集めたところで建築そのものは一向に焦点を結びません。かえって印象は拡散するばかりです。

     

     さりとててんでまとまりを欠くわけでもありません。部分的には連合し、そのつど異なる一面を垣間見せてくれます。階段の写真なら、複数のうち一枚にだけリボンが写っています。すると落とされた経緯や今後の行方が気になってしまうでしょう。挙げ句かつてそこを昇降した人々の身上にまで思いが及んだりするのです。おそらくそのうちの誰かが、他の写真にあるとおり扉を開け放したり、ないしは壁に穴をあけたに違いありません。いわば彼ら潜在的な他者こそが、たとえかりそめであれ写真どうしに見通しをつけてくれるのです。

     

     写っている細部とはつまり他者の痕跡です。そして、その重なりには彼らにとってのその場所の意味が浮かび上がります。ボスのトンド(円形画)を例にとれば、当初はその主題(「放蕩息子」ルカ福音書第15章)への共感から部屋に飾られたのかもしれません。あるいはまた旧宗主国への無意識的な従属からでしょうか。けれども他方では、既存の窓のかたちに影響された可能性も捨てきれません。例えば調和を試みたとか。少なくとも両者を隣接させた展示からはそんな解釈が促されます。円を通して他者たちの連携が生まれ、暮らしに新たな装いがもたらされたというわけです。

     

     同様に他の痕跡たちも互いに呼応しようと待ち構えています。おまけに詰め気味の構成がさらに棹さし視線の横滑りを誘います。あちこちでショートが仕組まれているのです。なかには奥の写真が隠れるほど重なっていたり。わけても、紛れ込んだように場違いな合板が野心的です。例の窓よろしく穴がくり抜かれ、当の会場そのものに「ウィスマ・クエラ」がショートさせられます。それを補強するかのように場内壁面には戸外のスケッチまであしらわれていました。ともあれ円を通して制作者じしんが他者たちの連携に列なり、場所の上書きを実践してみせているのです。

     

     家屋を、つどに応じた意味の系譜として記録すること。もとより増改築の激しい物件ゆえのアプローチです。予定調和なり堅固な理念は端から望むべくもありません。偶然に充ちた事実性こそ賭金です。そのうえでなお全体の輪郭もまた事実として否応なく存在します。この即物的な全体を制作者はどう捉えるのか。無いものねだりとはいえ、別の機会にでも伺ってみたいものです。

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